※以前の解説から大きく内容が変わりました。
「エレクトラム」とは、「自然金」と「自然銀」からなる天然合金の通称です。「天然合金」と聞くと印象が良いかもしれませんが、「エレクトラム」は金の純度が低く、「自然金」とは呼べないものに対して使われる通称です。
「自然金」の特性として、結晶中に他の鉱物成分を含むことが一般的で、同じ鉱脈で生成される銀成分や他の鉱物を含むことが多くあります。このようなものが「エレクトラム」として扱われることがあります。金の純度の低さは鉱物の外見にも反映され、「エレクトラム」はやや白みがかった渋い金色をしています。また、金よりもはるかに劣化しやすい銀成分を含んでいるため、標本の劣化も進みやすいです。
「エレクトラム」とされる金鉱物に厳密な定義はありませんが、自然銀を20～40％程度含むものが「エレクトラム」として扱われることがあります。
ちなみに、『エレクトロン』という言葉を連想させるかもしれませんが、これはギリシャ語で「琥珀」を意味し、「エレクトラム」という呼称もこのエレクトロンから由来しています。