「Gibeon隕石」（ギベオン隕石）は、おそらく最も有名な鉄隕石の一種です。「ギベオン」の愛称で知られています。オクタヘドライトに分類される鉄隕石で、スライスカットすると繊細でシャープなウィドマンシュテッテン構造が現れることでも有名です。
カットされたの大きな「Gibeon隕石」の表面は、隕石の中心部でもところどころウィドマンシュテッテン構造が、かすれて消えたように見えない部分があり、これもまた「Gibeon隕石」らしい特徴です。この特徴は、非常によく似た別の隕石「Muonionalusta隕石」（ムオニナルスタ隕石）とのちがいが判別できる特徴でもありますが、ウィドマンシュテッテン構造がある部分だけ小さく切りとられたものだと区別が困難にになります。
「Muonionalusta隕石」もれっきとした価値ある鉄隕石ではありますが、「Gibeon隕石」よりも安価であり、「Gibeon隕石」を偽られることがあったり、販売者も区別がつかずまちがえて販売されるケースが多々あります。実物の入手には注意が必要です。
ナミビアの首都、ウィントフックにはギベオン隕石を使った有名なモニュメント、「ギベオン隕石の噴水（Gibeon Meteorite Fountain）」があります。「Gibeon隕石」は発見地の国であるナミビアを象徴するシンボルともいえるでしょう。