「トムソン沸石」は「ゼオライトグループ（沸石）」の鉱物の一種です。かつて、「トムソン沸石」は一種の鉱物種とされていましたが、1997年の国際鉱物協会にて、再分類されたことでサブグループ名になりました。新たに細分化されたものには、「灰トムソン沸石（Thomsonite-Ca）」と「ストロンチウムトムソン沸石（Thomsonite-Sr）」がありますが、肉眼では見分けることができず、どちらも成分分析をしないと判別は困難です。
ちなみに、インド産の中沸石と共生したオレンジ色のユニークなトムソン沸石が産出されます。こちらはCa（カルシウム）成分が優位な灰トムソン沸石である可能性が高いです。また、日本の翡翠輝石の岩石中にわずかに含まれていたトムソン沸石はSr（ストロンチウム）成分が優位なストロンチウムトムソン沸石になります。ストロンチウムトムソン沸石は、日本産のものが新種としてIMA（国際鉱物学連合）に承認されました。